ロサンゼルスの小学校の3年生。息子の学年では先生方が「偽のお小遣い制」を採用して子供たちのやる気を促しています。
「偽のお小遣い制」とは、当番の仕事をきちんとこなした時や日課をきちんとこなした時に先生がおもちゃのお金をお小遣いのように子供たちに渡し、月に1度Student Shopというお店を開いてそこで本物のおもちゃが買える、という仕組みです。当番の内容としては、植物にお水をあげる係、出席を取る係、整頓係など日本と同じような係があります。
ただ、非常に面白いのが、数カ月に1度係を決める時に「レジュメ」を書かせるのです。
アメリカではキャリアのステップアップのために一つの会社にとどまることはまれ、転職が当たり前です。
そんな時大事なのがレジュメですよね。
アメリカでは、小学生のころから自分をアピールする練習をしているというわけです。
「これまでの経験」「なぜ自分がその係に向いているか」などを書いて先生にアピールしないと自分がやりたい係に選ばれません。
例えば、植物にお水をあげる係(ガーデナー)だったら、「自宅の庭で〇〇を育てた経験がある」とか「自分は責任感が強いので忘れずに仕事をこなせる」などアピールポイントを書いて提出するのです。
アメリカでは、小さな頃からこういう経験を積んで自分の強みをアピールする練習をしているのでアピール上手なキャラが育つんですね。
謙遜を良しとする日本人と、アピール上手なアメリカ人。
小さな頃からの教育で大きな違いが生まれます。
レジュメを提出して係が決まると、係の仕事をこなすごとにおもちゃのお金がもらえます。1週間で1ドルちょっともらえるようです。それをためて、月に1回開かれるStudent Shopでお買い物をします。
品物は、親の寄付です。「そろそろStudent Shopを開くので、ちょっとしたおもちゃを寄付してください」と先生から連絡が来ます。
先日ボランティアに行った日にちょうどStudent Shopを開いて欲しいと先生から依頼があったので、教室の外のテーブルに子供たちと一緒に商品を並べて、「はい、開店で~す♪」
今、男女とわず人気なのはPutty。スライムですね。
女の子に人気なのは Squisy (スクイッシー)というスポンジのおもちゃ。
稼いだお金を全部使っちゃう子、少ししか使わない子、個性が色々で面白いです。
レジュメを書いて担当の仕事が決まり、仕事をこなしてお金をもらい、好きなものを買う、
一連の実生活に即した疑似体験を年間通して経験しています。
これはいいですね!