本好きな子供に
“子供を本好きに育てられれば、子育ての8割は成功”
教育研究家の七田氏が言ったとされる言葉です。子育てに成功も失敗もないと思いますが、「本好き」になるということはそれだけ子供にとってプラスのことだ、という意味ですよね。
私も、子供には読書好きに育ってほしいと思いました。人生の中で人の会話、TV、映画などから得る情報もたくさんありますが、出版のために推敲を重ねて作られた本ほど美しい学ぶべき言葉が詰まっているものはありません。本を読むことで、他の人の人生を追体験できたり感動を味わったり悲しみを知ったり。読書の効果は計り知れません。
「学力」という意味でも文章を読み解く読解力があれば、国語はもとより算数の文章題も社会も理科も、様々な教科の学力向上に結び付きます。高額な幼児教育教材を買ったりフラッシュカードを使ったり、私は特段そういうことには興味がありませんでしたが、子供を本好きにする、幼児期はそれが一番大切だと思っていました。
話しかけが下手なら「読み聞かせ」で
私が読み聞かせをしていたもう一つ理由は、私自身かなり口数が少ないタイプだったという理由があります。
おしゃべりとは正反対の性格でしたので、特に子供がまだ言葉を話さない幼児期は、2人でいても、息子「アバアバ・・・(意味なし)」、私「・・・(笑顔で見てるだけ)」のようなシーンがたくさんあったのです。
他のママさんみたいに「〇〇してるの?すごいね~。えらいね~。ママびっくりよ~。」とスムーズに言葉が出てこないのです。そんな性格もあって、無理に語りかけようとするよりも「絵本を読んであげよう」と思ったのです。
語りかけについていえば、「3000万語の格差」という本の紹介文に
生まれた瞬間から最初の数年間に、親や保育者が子供にどれだけ「話したか」ですべてが決まる!
という衝撃的な(笑)事が書かれています。語りかけが苦手なママにとっては冷や汗ですよね。もし、あなたも語りかけが苦手なタイプでしたら、語りかけの代わりに絵本に書いてある「素晴らしい言葉」を読んで聞かせてあげればいいと思います。
これまでの読み聞かせの流れ
生後6か月から始めた絵本の読み聞かせ。
昼間一緒に遊んでいる時や夜ベッドに入ってから、毎日数冊の絵本を読み聞かせていました。絵本は近所の図書館で借りてきたり、本屋さんで購入したり。全然おとなしく聞いてくれない日は途中でさっさとやめ、私が疲れている日もお休み、そんな緩い感じで続けて半年から1年ぐらいたつと、本が好きになってきた感じが出てきました。
我が家の場合、英語と日本語半々もしくは少し英語の方が多いぐらいの割合で絵本を読み聞かせていました。英語の絵本を読む方が私自身も新鮮で面白かったので、英語比率が少し高かったですね。
2歳、3歳…も緩いペースで続け、自分で読める文字が出てくるようになった4歳ごろには少し読ませてみたりし始めました。だいぶ文字が読めるようになってくると、ますます読み聞かせが楽しくなります。今までママが一方的に読んでいたのが、交代交代に読んだり、子供に読んでもらったりできるようになっていきます。
4歳、5歳ぐらいで「読み」にチャレンジするのにおすすめなのがオクスフォードリーディングツリーです。
これはステージ毎にレベルアップしていくので、単語が読めるようになった→文が読めるようになった、という段階に応じてステップアップできます。
5歳でアメリカに渡った頃には、オクスフォードリーディングツリーのステージ2ぐらいが読めていたと思います。
読み聞かせの効果は・・・?
かくして、ゆるいけれども途切れずに読み聞かせを続けた結果、念願かなって息子は大の読書好きに育ちました!
朝起きたらすぐに本を手に取ります。私が朝食の準備をしている間、一人静か~に本に夢中。
朝ごはんを出しても読み続け、「早く食べちゃって」と言われながらも読み続け、「もう本読むのやめないと遅れるよ!」とせかされて慌てて学校へ。
毎朝こんな感じです。
ジャンルは、男の子なのでアドベンチャー系が好きです。7歳の終わりに分厚いハリーポッターシリーズを読破しました。ご存知の方も多いと思いますが、字が細かくて相当分厚いです。毎日毎日飽きずに読み進め読破してしまった後も、時折引っ張り出しては何度も読み返している大好きなシリーズです。
これで子育て8割成功なのかといえば全くそんなわけはありませんが、学力にも好影響を与えているのは確かです。
全米トップレベルの英語読解力がついた!
「読み聞かせ」が学力へどう波及したかと言えば、日本人家庭で育った子供が、渡米後たった3年で全米トップ3%の読解力を得るまでになりました。これは学校で行われた読解力を測るテストで実証された結果です。全米の同学年の子供たちの中でトップ3%に属するというレポートが出ました。
実は渡米後2年目のテストでもすでにトップ5%の結果が出ていたのですが、小学校低学年の子供が受けるテストなので偶然かもしれない、誤差もあるだろうしと思っていたのですが、翌年の試験でさらに上がって3%になったので間違いないと確信しました。
アメリカへ渡って現地校に通い始めたとはいえ、両親日本人ですから家庭での言語は日本語です。アメリカで生まれた英語がネイティブの同級生の中でトップレベルの読解力がついた要因は、読み聞かせに端を発した「読書好き」です。
得てして、文章を読むことが億劫でなければ、算数の文章題も臆せず取り組めますし、理解しようという積極的な姿勢や思考力が必然的に養われてくると感じています。
- 読み聞かせをする
- 読書は楽しいものだと感じる
- 自分で読む事が好きになる
- 色々な事が理解できるようになる、理解しようと文章を読んだり調べたりすることが億劫でなくなる
- 勉強全般が好きになる
これまでの子育てを通して、上記のような大きな流れがあると思います。
一番おすすめの勉強法は?
教育に関心のあるパパママでしたら、色々な情報を入手されていることでしょう。〇〇式とか、家庭でできる○○とか、フラッシュカードとか・・・世の中にはたくさんの手法があります。
でも私はそういうファンシーなものは使ったことがありません。
「どんな幼児教育法を一番おすすめするか?」と聞かれたら、
声を大にして「読み聞かせ」と答えます!
これから子育てをするママたちにはぜひやっていただきたいと思っています。
「読み聞かせをあまりしないまま子供が小学生になっちゃった…」と思っている方でも遅くありません。絵本ではなく小説でも何でも、読み聞かせをするチャンスはたくさんあります。本人が読むのでもいいですし。国語の教科書の音読強要とはちがいますよ(笑)。
子供は、パパやママが本を読んでくれる「読み聞かせの時間」が大好きです。パパやママが楽しそうに読んでくれる「本」そのものが大好きになります。それが、子供に明るい未来をもたらすことでもあるならば、やらない手はありません。ぜひ今日から始めてみてくださいね。